日本職業教育学会
会長(2022年10月 会長就任)
日本職業教育学会は、「学校、社会ならびに産業における技術・職業に関する教育・訓練の諸問題に関する研究を促進して、もってその教授・学習等に寄与することを目的」としています(会則第2条)。学会名称の英文名(会則第1条)は、Japan Society for the Study of Technical and Vocational Education and Trainingであり、頭文字を取ってJSSTVETと表記しています。
本学会が対象化する「学校、社会ならびに産業における技術・職業に関する教育・訓練」について、日本の場合を事例として、いくつか具体的に示してみましょう。
日本職業教育学会は、「学校、社会ならびに産業における技術・職業に関する教育・訓練の諸問題に関する研究を促進して、もってその教授・学習等に寄与することを目的」としています(会則第2条)。学会名称の英文名(会則第1条)は、Japan Society for the Study of Technical and Vocational Education and Trainingであり、頭文字を取ってJSSTVETと表記しています。
本学会が対象化する「学校、社会ならびに産業における技術・職業に関する教育・訓練」について、日本の場合を事例として、いくつか具体的に示してみましょう。
まず冒頭の「学校」に着目し、学校の内側と外側に区分してみます。
学校内の「技術・職業に関する教育・訓練」としては、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、大学、高等専門学校や専修学校などのそれが存在します。
たとえば、中学校の技術科教育、高等学校の職業科教育、高等専門学校の専門教育、大学における工業科教員養成などです。
学校内の「技術・職業に関する教育・訓練」に限ってみても、その範囲と対象は広く、少なくありません。
もう一つの学校外の「技術・職業に関する教育・訓練」の範囲と対象は、学校内以上に多彩です。
そのうちの代表的なものをいくつか例示してみましょう。
たとえば、上述の「学校」は文部科学省所管の教育・研究機関ですから、他の官庁が所管する教育・研究機関の「技術・職業に関する教育・訓練」が該当します。代表的なものとしては、
厚生労働所所管の職業能力開発の諸機関におけるそれが挙げられます。公共職業訓練などです。
また、学校外の「技術・職業に関する教育・訓練」としては、企業内のそれもよく知られるところです。
しばしば企業内教育と称する多様な営みであり、比較教育的に言えば、日本の企業内教育は、日本の「技術・職業に関する教育・訓練」の代表的存在と見なされることも少なくありません。
さらに、観点を少し変えると、社会教育施設の「技術・職業に関する教育・訓練」も存在します。公民館、博物館、児童館などにおけるそれです。
以上のように、日本職業教育学会が対象化する「学校、社会ならびに産業における技術・職業に関する教育・訓練」について、日本の場合を事例として、学校の内側と外側から代表的なものをいくつか例示してみました。
日本職業教育学会が対象とする「教育・訓練」は多様です。
しかも、これらの「技術・職業に関する教育・訓練」の内容的種別(いわゆる分野)も多様です。
一般的な表現を用いるならば、農業、工業、商業、水産等の主要産業部門に関する種々な営みがあり、この他にも、たとえば専門職という「職業」に着目すると、医療や法務などの分野にも焦点が当てられます。
また、日本職業教育学会は、日本に限らず、欧米や東アジアの「主要国」を中心に、諸外国の「技術・職業に関する教育・訓練」についても積極的に対象化してきました。
なお、諸外国の「技術・職業に関する教育・訓練」を対象化する場合、商工会議所などの経済団体や労働組合などへの注目が強まることも少なくありません。
以上に概要を述べた日本職業教育学会の主要対象については、日本産業教育学会編『産業教育・職業教育学ハンドブック』(大学出版、2013年)をご参考になさってください。
もう少し日本職業教育学会の特徴についてご説明いたします。
日本職業教育学会は、日本産業教育学会を前身としています。日本産業教育学会から日本職業教育学会への移行は、
2019年10月の第60回大会の総会により「会則」を全面改定したときに始まり、2020年4月より現在の日本職業教育学会として全面的に歩み始めました。
日本職業教育学会への移行に舵を切った日本産業教育学会第60回大会は、学会創立60周年記念大会でした。
すなわち日本職業教育学会は、60年以上の歴史をもつ、重みのある学会です。
なお、日本産業教育学会の創立(1960年10月)において中心的役割を果たしたのは、日本の教育方法学者として著名で、かつ『技術教育』(1944年)、『技術教育概論』(1978年)を書き著した細谷俊夫氏(1909~2005)と、日本の心理学者として著名で、近代労働科学研究を牽引し、産業心理学分野の開拓者の一人であった桐原葆見氏(1892~1968)の二人でした。
以上に概略を述べたように、日本職業教育学会が主要な対象とする「技術・職業に関する教育・訓練」は、日本及び諸外国における学校の内・外に拡がる多様な内実を有する営みであり、かつ今日的及び歴史的存在です。
そして、その中心軸は、労働の世界(働く世界)において、人間としての尊厳を持って生きる人々であると言ってよいでしょう。
無論この中には、将来、そのように生きようとする人々が含まれます。日本職業教育学会のこの根源的射程は、日本産業教育学会の時代を含む60年以上の間、変わることなく一貫して据え置かれています。
研究会名称 | 日本職業教育学会(Japan Society for the Study of Technical and Vocational Education and Training) |
主査 | 坂口 謙一(東京学芸大学) |
設立 | 1960年10月1日 |
住所 | 〒116-0011 東京都荒川区西尾久7-12-16 株式会社ソウブン・ドットコム内 |
研究内容 | 学校、社会ならびに産業における技術・職業に関する教育・訓練の諸問題に関する研究 |
会則はこちらから
役職 | 氏名 | 所属団体 | 役職詳細 |
会長 | 坂口 謙一 | 東京学芸大学 |
副会長 | 新井 吾朗 | 職業能力開発総合大学校 | 兼常任理事 |
事務局長 | 瀧本 知加 | 京都府立大学 | 兼常任理事 |
常任理事 | 伊藤 一統 | 宇部フロンティア大学 | |
稲永 由紀 | 筑波大学 | ||
斎藤 修啓 | 金城大学 | ||
新谷 康浩 | 横浜国立大学 | ||
西 美江 | 関西女子短期大学 | ||
丸山 剛史 | 宇都宮大学 | ||
横尾 恒隆 | 元・横浜国立大学 |
理事 | 石嶺 ちづる | 愛知教育大学 | |
植上 一希 | 福岡大学 | ||
尾高 進 | 工学院大学 | ||
片山 勝己 | マツダ株式会社、放送大学 | ||
京免 徹雄 | 筑波大学 | ||
坂本 將暢 | 名古屋大学 | ||
佐々木 貴文 | 北海道大学 | ||
佐野 正彦 | 大阪電気通信大学 | ||
高橋 保幸 | 宮城県庁 | ||
永田 萬享 | 元・福岡教育大学 | ||
平田 眞一 | 中国デザイン専門学校 | ||
深江 裕忠 | 職業能力開発総合大学校 | ||
船津 静代 | 名古屋大学 | ||
横山 悦生 | 名古屋産業大学 | ||
吉留 久晴 | 鹿児島国際大学 | ||
渡辺 達雄 | 金沢大学 |
監事 | 倉田 研一 | 名古屋大学(院) | |
渡部 容子 | 近畿大学 |
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