日本産業教育学会第44回大会を実施しました 

 大会準備委員長 隈部 智雄の挨拶

 今般、千葉大学で第44回大会を引き受けることになりました。千葉大学での開催は第28回大会以来、16年ぶりとなります。
 今回は、研究発表会場は4会場36件の発表が可能となるように千葉大学けやき会館(大学正門すぐ脇)を全館借り切って開催するはこびとなりました。多数の研究発表によって充実した大会となることを期待する次第です。
 いつも頭を悩ませるシンポジウムは、少し視点を変えて取り組んでみました。テーマを「技術の見方を育てる教育をどう進めるか ―技術を評価する力/技術者倫理をめぐって―」としました。今日、私たちは日々技術に関わる様々な問題について判断を求められています。国民一人一人がそれを可能とする技術的教養を身につけることが求められています。これは技術者にとっては、技術者倫理、技術者の社会的責任の問題です。昨今の技術に関わっての重大な社会的不祥事の続出はこの問題への関心を高めています。また、大学教育の国際化のなかでJABEE(日本技術者教育認定機構)による技術者教育プログラムの認定に関わって、その認定基準に技術者倫理の教育が入っていることは、技術・職業教育に関わる本学会においても重要な関心事であると思います。このような状況を踏まえてシンポジウムの報告者には、普通教育としての技術教育の立場から、技術者倫理の諸問題、諸外国の事例について報告していただきます。多くの会員の活発な議論を期待しています。
 第1日目夕刻の懇親会は、同じ建物内のレストランで行います。研究発表、シンポジウムでの議論の続きもよし、年に一度の近況報告もよし、会員相互の親交が深められれば幸いです。
 第2日目の見学会は新日鐵(株)君津工場の見学と社内能力開発システムについて紹介していただく予定です。新日鐵(株)君津工場は、コンピュータ管理による銑鋼一貫体制を日本で最初に築き上げた工場として有名です。合理化等により新規採用が減少するなかで、能力開発の現状を知ることは意義深いものがあると思います。千葉市から若干距離があり、現地集合は大変ではあると思いますが、多くの会員が参加されるように期待します。
 昨年の大会での「阿波踊り」のような郷土芸能はありませんが、多くの会員だけでなく、会員以外の方にも声をかけていただき、内容をさらに充実させて大会がおおいに盛り上がることを期待しております。

【大会スケジュール】

日 程: 2003年10月19日(日)〜20日(月)
第1日目
受  付 8:30〜
自由研究発表 9:00〜11:45
昼食・理事会 11:45〜12:45
自由研究発表 12:45〜14:05
シンポジウム 14:10〜17:10
総  会 17:10〜18:00
懇 親 会 18:00〜20:00
第2日目
工 場 見 学 8:30 千葉大学正門集合
(午前)工場見学、昼食
(午後)能力開発システムの紹介と質疑


【自由研究発表】

A−1座長:沼口博(大東文化大学)
1. 普通教育としての技術科教育の課題 魚崎裕之(芦屋大学)
2. 中学校の産業教育の変遷を「勤労の教育」の
視点で見る
池上正道(立正大学[非])
3. 高校生の職業観と職業教育 ○佐藤史人(和歌山大学)
4. 総合学科生の職業・進路観と進路学習 ○吉留久晴(名古屋大学[非])
A−2座長:森和夫(徳島大学)
1. 「少年職業紹介二関スル件」通牒の進路指導における意義 三村隆男(上越教育大学)
2. 看護師が看護系大学に編入学する動機と理由に関する研究 ○開戸啓子(徳島大学)
3. 医療事務職における研修の特徴と中等後職業教育の課題 大友達也(小松短期大学
B−1座長:永田萬享(福岡教育大学)
1. R.W.セルヴィッジの作業分析法の形成と展開(1) 木下龍(東京学芸大学院生)
2. 初等学校における技能の獲得と言語 鈴木隆司(和光小学校)
3. アメリカにおける技術・職業カリキュラムの開発 ◯横尾恒隆(岩手大学
B−座長:田中萬年(職業能力開発総合大学校)
1. 職業能力開発短期大学校における職業訓練カリキュラムの定型化 中村信也(職業能力開発総合大学校東京校)
2. 技術系ホワイトカラーのキャリアパターンに関する研究 砂田栄光(職業能力開発総合大学校)
3. 「教育」と「訓練」に関する意味と内容についての研究 〇三宅章介(東海学園大学)
C−1座長:佐々木英一(追手門学院大学〕
1. 岡山秀吉の手工科教育論の展開過程における米国留学の意義 平舘善明(東京学芸大学院生)
2. 師範学校手工科用検定教科書における実習の内容と教授法 疋田祥人(東京学芸大学院生)
3. 工業学校教員の資格と養成に関する歴史的研究 ○坂口謙一(東京学芸大学)
4. 実業学校における実習指導教員等の制度とその歴史 佐々木享(元名古屋大学名誉教授)
C−2座長:依田有弘(千葉大学)
1. フランスにおける職業資格制度改革の動向 夏目達也(東北大学)
2. 特許法第35条に係る争訟の提示するもの 櫻井博行(職業能力開発総合大学校)
3. 高等教育入門期における情報倫理教育の授業分析 ○斎藤裕美(湘南国際女子短期大学)



【シンポジウム】

テーマ:
「技術の見方を育てる教育をどう進めるか―技術を評価する力
/技術者倫理をめぐって― 」
司 会:
大淀 昇一 (東洋大学)
シンポジスト及び報告仮題:
「学校教育で技術観を育てる」
田中 喜美(東京学芸大学)
「Standards for Technological Literacyに於ける技術を評価する力」
桜井 宏([社]日本工学アカデミー会員元専務理事)
「技術者倫理とは何か、技術者倫理の諸問題」
小西 義昭([株]日機装)
「ドイツにおける技術者倫理教育の展開と教育の課題」
寺田 盛紀(名古屋大学)



【大会会場・見学先】

会 場: 千葉大学けやき会館
〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町1-33
    JR総武線西千葉駅下車、南門から徒歩10分
見学先: 新日鐵(株)君津工場(銑鋼一貫工場)
〒299-1141 千葉県君津市君津1番地



【大会実行委員会】
委員長:隈部 智雄
事務局:千葉大学教育学部技術教育講座内
 依田 有弘
 tel 043-290-2583
 
yoda@faculty.chiba-u.jp

 大河内信夫
 tel 043-290-2581
 
nohkochi@faculty.chiba-.jp


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